理化学研究所は10日、東芝とNEC、富士通の電機大手3社と人工知能(AI)の共同研究を進める連携センターを新設すると発表した。理研の先端技術と民間のノウハウを結集し、日本の研究の競争力維持を目指す。4月1日付。
理研が2016年に設置した革新知能統合研究センター内に、3社と研究員を出し合い、それぞれ数十人規模の研究拠点を設ける。3社は注力分野で個別に理研と協力するが、基礎研究の成果やビッグデータなどを共有することも検討する。
東芝は工場や発電所のプラントの自動化や効率的な操業を目指す。NECは少量のデータから高精度の分析や予想を導き出す技術開発を進める。富士通は未知のサイバー攻撃への対応などのセキュリティーや創薬に取り組む。
連携センターのトップに就任する理研の杉山将革新知能統合研究センター長は「AI研究で日本が遅れていると言われる状況を打開し、理研の基礎技術をしっかり産業に結び付けたい」と話した。