【春闘】トヨタ、ベア月1300円の前年割れ 育児手当増額と「合わせ技」で決着 一時金年6・3カ月は満額回答

2017.3.13 19:19

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 平成29年春闘をめぐるトヨタ自動車の労使交渉で、賃金水準を引き上げるベースアップ(ベア)が月額1300円で事実上、決着したことが13日、分かった。ベア実施は4年連続だが、前年妥結額の1500円を下回る。ただ、ベアとは別に子供がいる家族への手当を月1100円増額。合わせ技で全体の賃金改善分は2400円と前年実績を上回るようにして、安倍晋三政権が求める賃上げ要請に応える。

 労働組合が求めていた6・3カ月分の年間一時金(ボーナス)は、7年連続の満額回答とする。労組はベアについて昨年と同じ月額3千円を要求したが、既に賃金が高い水準にあることを踏まえる。ベアと定期昇給分(7300円)を合わせた月例賃金は8600円の引き上げとなる。これに子育て世帯への手当増額分を加えると、組合員平均の賃金改善分は月2400円に達することになる。

 非正規の期間従業員については、月額3千円程度に当たる日給150円の引き上げ要求に応じる。

 トヨタの経営側は、今春闘の労使交渉で、賃上げについて、当初から「社会性」という言葉を繰り返した。日本最大の製造業であるトヨタがベアを見送ったり、賃金改善分が低くとどまったりすれば、日本全体の労使交渉に影響するためだ。しかも安倍政権は、デフレ脱却に向け「少なくとも昨年並みの水準の賃上げ」を経済界に要請。日本経済への影響配慮に加えて、トヨタはトランプ米大統領からメキシコ工場新設計画を名指しで批判された問題をめぐり、安倍政権に協力を求めた経緯もあり、例年以上に“恩”に報いる必要があった。

 ベアについては昨年の円高による業績悪化を踏まえ前年割れだが、手当拡充を組み合わせて、安倍政権の賃上げ要請に応える。これにより低迷する個人消費の活性化に向けた原資となる賃金を増やし、経済好循環の実現に貢献する考え。

 トヨタの交渉が事実上決着したことで、ベア月額3千円を求める他の自動車大手労組の交渉も最終盤に入り、15日の集中回答日に向けギリギリの攻防が続く。(今井裕治)

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