今、障害者スポーツはフォローの風を受けている。支援に名乗りを上げる企業も少なくない。メディアの紹介も増えており、「はっきり言ってバブルだ」との声さえ聞く。
◆持続力が必要
では、こうした状況は、2020年東京パラリンピック開催後も持続するだろうか。
時流に乗って支援し、終わったら熱も冷めたでは困る。せっかく芽が吹きかけた障害者スポーツへの理解、共生社会実現への期待もしぼみかねない。
20年の後も関心を持ち続けていくには、どうしたらいい。三菱商事は独自に社会貢献とは何かを問い続け、実践してきた企業である。きっと参考にできる事例があるはずだ。
「遠い未来のことまではいえませんが、(三菱商事は)20年を目指して活動しているわけではありません。今後も、トップアスリートの支援だけではなく、裾野を広げるサポートを続けていくだけです」
三菱商事の社会貢献の現場を担う子会社、エム・シー・コミュニケーションズ(MCC)CSR事業チームリーダーの平野裕美さんは淡々と話す。
「スポーツが好きではない子供たち、上手にできないから外に出たくないという子供たちはたくさんいます。そんな子供たちに、スポーツと触れ合う機会をつくり、楽しさを知ってもらえれば…」
障害者支援を続ける人たちに話を聞くと、共通して「機会の少なさ」が指摘される。