日本取締役協会の宮内義彦会長(左)から大賞のトロフィーを受け取ったHOYAの鈴木洋・代表執行役最高経営責任者=東京都千代田区【拡大】
■“稼ぐ力”高める経営者の意識改革
コーポレートガバナンス・コードが適用されて1年になる。“元年”といわれた2016年は、この動きと歩調を合わせるかように、取締役会の意思決定にまつわる話題が多かった。経営トップの解任や、意思決定をめぐる議論なども、コーポレートガバナンスの問題として語られることが多くなってきた。日本企業のコーポレートガバナンスは、いよいよ本格的に動き出そうとしている。(青山博美)
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2014年以降、日本でもコーポレートガバナンスに関する改革が一気に進んだ。会社法の改正に伴って「監査等委員会設置会社」が登場したほか、機関投資家の投資に対する説明責任を求める日本版スチュワードシップ・コードとともに、15年には上場企業に対しては日本版コーポレートガバナンス・コードが適用されるなど、ガバナンス関連の仕組みが整った。
◆投資家との対話の機運
これに伴い、15年からは日本でも投資家との対話の機運が高まってきたほか、社外取締役の選任なども進んだ。たとえば「監査等委員会設置会社」については、改正会社法が施行された5月以降、この仕組みに移行した企業が急増。16年7月には、190社程度が移行を表明した。昨年末時点では、上場企業の3割以上に上る720社以上がこの仕組みに移行している。
日本企業の間で急速に整えられたコーポレートガバナンスのための体制。しかし、そこにはまだまだ課題がある。
こうした体制整備の狙いは、日本企業の“稼ぐ力”を高めることにある。いわゆる“攻めのガバナンス”という“効果”をいかに発揮させていくか、が最大のテーマだ。