◆積極的な人材は内部にも
--攻める経営者をどう見つけ育てるかは重要ですね。外部から連れてくるという手もありますが
「とはいえ、外部からの招へいはかなり難しいと思います。日本にはそういう市場もありません。米国では膨大なタレントプールがあり、ヘッドハントを依頼すると数十人の候補者がすぐみつかります。しかも、こちらの希望のスペックを備えた人ばかり。ところが、日本では2、3人探すだけでも大変なことです。そう考えると、現実的なのは内部で見つけることでしょう。内部にもいるはずです。積極的な人材が。これまでは、あえてそういう人を選ばず、無難な人を指名してきた、ということでしょう。いずれにせよ、これまのでの延長線上で考えないことが大事です。視点を変えれば、いろいろな選択肢があります。子会社に出た人を戻すとか」
--タレントプールを大きくする、というのはどうでしょう
「そうなっていけばいい。でも、これは言うは易し、だろうと思います。現在は99%社内です。外部人材に経営を委ねるようになるというのは、日本の文化がかわらない限り難しいと思います」
--“攻めのガバナンス”を強める上で、経営者選び以外ではどんなことが求められますか
「まずは、社外取締役の質を高める、ということです。現在は士業の方なども多いですが、ビジネス経験者がもっと多いほうがいいんじゃないかと思います。しかも、できればしっかりした人がいいですね。さらには、幅も広げていきたい。ルール上だと、現在は社外取締役を2人以上置くこと、となっていますが、3人、4人と増やしていきたいところです。そうなれば、機能は十分に発揮できます」