大賞受賞についてHOYA代表執行役最高経営責任者(CEO)の鈴木洋氏は「社外取締役が、株主の代表として、株主の意向がきちんと会社に伝わる体制作りにご尽力いただいた成果が今回の受賞であると実感しています」という。
同社の取締役会は、過半数が社外取締役。「社外取締役を説得できなければ物事は進まない体制になっている。これまで経営者としての十分な経験や国際感覚を有する方々に社外取締役に就任いただいており、客観的、大局的にグループの企業価値向上にむけて執行側に対して時には厳しいご意見、時には成長にむけての助言をいただく機会に恵まれている。そのため執行側も緊張感をもって経営にあたっている」(鈴木氏)という。
◆独自指標EVA導入=花王
一方、入賞企業の花王は「制度としてのガバナンスが徹底している。変化のベクトルが大きな業種だが、より良い経営を志向し、独自の経営指標であるEVA(経済付加価値)を導入するとともに、この数値を26期連続で向上させてきた」(伊藤氏)。
同社はビューティーケアやヘルスケアなどに関係する日用品大手。グループ各社、各部門が相互に有機的に連携しあい、“よきモノづくり”を通して顧客と感動を共有できるような製品やサービスを創出してきた。14年3月期は10.7%だったROEも15年3月期には12.4%、16年3月期には14.8%へと向上している。
同社はこうした中で、コーポレートガバナンスを経営上の最も重要な課題のひとつと位置づけて取り組んできた。
花王代表取締役社長執行役員の澤田道隆氏も「2003年には任意で報酬諮問委員会と選任審査委員会を設置し、また14年には取締役会をスリム化して社内外役員による議論を活発化させるなど、企業理念である花王ウェイにある“絶えざる革新”をコーポレートガバナンスにおいても実践しております」コメントしている。