資生堂、ヒト型ロボで化粧品づくり 説明書やスポンジを梱包

2本の腕やカメラの目を備えた双腕型ロボット
2本の腕やカメラの目を備えた双腕型ロボット【拡大】

 資生堂は23日、化粧品生産を行う掛川工場(静岡県掛川市)にヒト型ロボットを試験導入したと発表した。ファンデーションの箱詰めなどに、2本の腕やカメラの目を備えた双腕型ロボットを活用する。工場へのヒト型ロボット導入は化粧品業界で初めて。労働人口の減少で人手確保が難しくなるなか、自動化を進め生産性向上を図る。

 導入するロボットは、材質や硬さの違う説明書やスポンジを1つの箱に詰めるなど、従来の産業用ロボットができなかった細やかな作業をこなせる。今回10台を導入し、既に2台が稼働中という。カワダロボティクス製のロボットに、資生堂がグローリーと開発したプログラムを搭載した。

 作業者は微細なキズを見つける検品などに専念させ「ロボットとヒトの共存を図る」(小林毅久・生産技術開発センターグループマネージャー)。今後は従来比で1.5倍の生産性向上を目指すほか、口紅や化粧水の生産でも活用を検討していく。