ソフトバンクグループの「SBドライブ」とベンチャーの「先進モビリティ」(いずれも東京)は30日、沖縄県南城市の公道で実施しているバスを使った自動運転の実証実験を報道陣に公開した。内閣府の委託事業で、20日から4月2日までの期間、走行データを収集して実用化に向けた課題を検証する。
SBドライブは、運行状況を遠隔監視するシステムを開発、東大教授らが参加する先進モビリティが車両を手掛けた。
実験では、アクセルやハンドルを自動にして、ブレーキは運転手が担当。報道陣を乗せたバスは、全長2.4キロのコースを時速約30キロの速度で走行した。路上に止まった車をセンサーが認識し、車線変更して避けて通過、仮設のバス停にもきちんと停車した。
自動運転技術は、運転手の負担軽減や事故防止に役立つほか、公共交通が未整備の地域での活用が期待される。
試乗した鶴保庸介沖縄北方担当相は「沖縄は典型的な車中心の社会だ」と語り、渋滞の解消などに向けて、沖縄での自動走行バスの実現に意欲を示した。
【用語解説】自動運転技術
自動車がカメラやセンサーで周囲の状況を把握しながら、自律的に走行する技術。ハンドルやアクセル、ブレーキ操作のいずれかを自動で行う「レベル1」から、運転手が操作に全く関与しない完全自動走行の「レベル4」まで4段階ある。政府は2025年をめどに完全自動運転の実用化を目指している。