東京商工リサーチは31日、2016年度の上場企業の倒産が1990年度以来、26年ぶりにゼロだったと発表した。円安で輸出企業を中心に業績が持ち直していることや株式や債券の市場の安定も寄与した。
上場企業の倒産は2015年9月の第一中央汽船から発生していない。上場企業の倒産がないのは1977年の調査開始以来、過去2番目に長い18カ月連続。過去最長はバブル期で景気拡大が続いた86年9月~91年7月の59カ月連続。
同社は足元の景況感について、景気が緩やかな回復基調にあることに加え、「低金利環境の継続で、貸出金利の低下や社債発行が容易となっており、資金調達が円滑にできている」と分析している。
一方で、今後の状況については「不適切会計事案やコンプライアンス(法令順守)の問題発覚に伴う突然の倒産」に警戒が必要とも指摘している。