【遊技産業の視点 Weekly View】

2017.4.15 05:00


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 □シークエンス取締役、LOGOSインテリジェンスフェロー・木村和史

 ■自国民入場を制限するベトナムIRの手法

 今年1月、ベトナム政府は規制を緩和し、ギャンブルを合法化した。そもそもベトナムでのカジノは、高級ホテル併設型のディーラーのいない有償ゲームセンター方式と統合型カジノリゾート(IR)方式に大別され、いずれも外国人専用であった。だが「政令第03号/2017/ND-CP」が公布され、3月15日からベトナム人のカジノ入場を条件付きで認めることとなった。

 この背景には国内で闇賭博が蔓延(まんえん)している現状とカジノなどにおけるカンボジアなど近隣国への富の流出がある。闇賭博については、とりわけ国民は国技であるサッカーに熱狂し、国内開催試合以上に英国プレミアリーグなど欧州リーグ戦がオンライン賭博の対象となっている。今回、試験的にFIFA(国際サッカー連盟)主催試合については掛け金の上限を設定し認められることとなった。

 さて、話をカジノに戻すと、ベトナム人の入場の要件は満21歳以上、民事行為能力を有することに加え、一定額以上の収入証明が必要で、この金額が月収1000万ドン(約5万円)とベトナム人の平均月収の2倍以上。施設への入場には、100万ドン(約5000円)が入場料として徴収されるなど、一般市民には現実的ではない数字が並び、現状では入場を富裕層に限定したい政府の意向がうかがえる。さらに、入場が可能な施設の要件として、総投資額40億ドル以上の統合型リゾート内のカジノ施設と限定された。こうなると、現在IR方式で営業しているカジノであっても入場不可能な施設もあり、一般国民のカジノ入場というもののハードルの高さが見て取れる(2017年3月20日の時点では国内で1カ所のみIR型で入場可能となっている施設がある)。しかしながら、外国人と厳しい条件をクリアできるベトナム富裕層のみの入場で施設の償却を含めた経済的合理性を伴うのかという問題もある。

 日本では、IR実施法の早期成立に向け精力的動きを見せているところであるが、内国人入場に極めて厳しい条件を付したベトナム政府の今後の動向は、適切な形での日本版IR実現の参考になるに違いない。

                   ◇

【プロフィル】木村和史

 きむら・かずし 1970年生まれ。同志社大学経済学部卒。大手シンクタンク勤務時代に遊技業界の調査やコンサルティング、書籍編集に携わる。現在は独立し、雑誌「シークエンス」の取締役を務める傍ら、アジア情勢のレポート執筆などを手掛ける。

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