JRの労組問題に詳しいノンフィクションライターの西岡研介さんは「JR東日本がそれまでの歪(いびつ)な労使関係の見直しを進めたため、追い詰められたJR東労組が“伝家の宝刀”であるスト権を持ち出した。旧国鉄時代に逆戻りする動きと言わざるを得ない」と話す。
JR東日本は「話し合いを基本としてきたこれまでの路線とは一線を画す」と不快感を示している。JR東労組は産経新聞の取材に対し「春闘に関するスト権は確立していない」とコメントした。
JRの労働組合
JR各社の労組は、旧国鉄時代の国労から離合集散を繰り返し、主に「日本鉄道労働組合連合会」(JR連合、約8万1千人)系、「全日本鉄道労働組合総連合会」(JR総連、約7万3千人)系、「国労」(約9千人)に収斂(しゅうれん)された。JR東日本の最大労組であるJR東労組をはじめ、北海道、貨物各社の最大労組はJR総連の傘下。東海、西日本、四国、九州の4社の最大労組はJR連合の傘下にある。