プロ野球出身の尾崎は、シュートを得意にしていた投手。件の知人は続けた。
「シュートを投げるとき、右手首を内側にグイッと押し込みますよね。右手が強くないと投げられない。ジャンボさんは“自分の強いことを生かすことにした”って…。これで飛距離が20ヤードは伸びたそうです」
舞う準備は整った
古希を迎えて、なお進化しようとする姿。そんなプロフェッショナル魂には頭が下がる。
そういえば…。小平智プロのエピソードも興味深い。開幕前に千葉にある尾崎邸を訪ねた。ジャンボのアプローチ(寄せ)技術に驚かされたという。
「実際に打っていただいたんですが、すごく分かりやすかった。教えていただいた感覚を早くモノにできたら…」と。小平は開幕戦の2日目、「64」のビッグスコアにつなげた。ジャンボの技術のすごさである。
打法も変えた。技術もある。ここ10年来、悩まされていた腰部脊柱管狭窄症(腰痛)も、オフに施した針治療が効いたという。どうやらいまのところ痛みも癒えているようだ。
「練習ラウンドでは、普通に60台で回ってる。エージシュート(年齢以下のスコアでワンラウンドする)ですよ」という尾崎側近の声もある。まずは杉原輝雄さん(故人)が持つ“世界最年長予選通過記録”(68歳311日)更新が第一歩…。
レジェンドが、もう一度舞う準備は整った。(産経新聞特別記者 清水満)