ヤフーが26日発表した平成29年3月期連結決算は、最終利益が前期比20・4%減の1365億円となり、平成8年のサービス開始以降、通期として初めての減益決算となった。前の期はインターネット通信販売のアスクルを子会社化したことに伴う一時益を計上したため反動が出た。アスクルの物流倉庫火災による130億円の損失も響いた。
売上高は30・9%増の8537億円で、20期連続の増収となった。アスクルの売上高が押し上げ要因となったほか、ネット通販サイトでの広告が牽引(けんいん)し、「コンシューマ事業」の売上高が5割超伸びたことが寄与した。
また、広告売上高に占めるスマートフォン向け広告の割合が初めて5割を超え、パソコン向けを上回った。
本業のもうけを示す営業利益は14・6%減の1920億円だった。
30年3月期の連結業績予想について詳細は公表していないが、売上高は広告事業の拡大で増収を予想。営業利益は1750億~1850億円と、2期連続の減益を見込んだ。ネット通販やビッグデータ関連に400億円程度投資することが要因。
東京都内で記者会見した宮坂学社長は「持続的な成長のために、積極的に投資する1年にしたい」と述べた。先行投資事業と位置付けて注力しているネット通販や決済関連事業で販売促進費を増やして、顧客獲得を目指す。