トヨタ自動車グループの主要部品メーカーは28日、2017年3月期連結決算を発表した。円高が影響したものの、販売強化やコスト削減に取り組んだことで最終利益はデンソーなど4社が増益となった。売上高は3社が増収だった。
アイシン精機は中国や欧州で変速機の販売が伸び、売上高が前期比9.8%増の3兆5626億円、最終利益は26.2%増の1266億円で、いずれも過去最高を更新した。デンソーも海外事業が好調で、売上高が0.1%増、最終利益は5.5%増と増収増益だった。
トヨタ紡織は海外子会社などでコスト削減を進め、最終利益が前期と比べ約12倍に増えた。愛知製鋼は前期に工場の爆発事故関連の損失を計上した反動で大きく伸ばした。
一方、豊田自動織機は円高が215億円の減益要因となり、最終利益が31.4%減の1255億円と落ち込んだ。ジェイテクトは2.4%減、豊田合成は19.9%減となった。
名古屋市で記者会見したアイシンの伊原保守社長は、トランプ米大統領の保護主義的な政策に関し「米国での生産と現地調達を増やさなければいけない」と話した。