【知恵の経営】ものづくり産業のモデル (1/2ページ)

2017.5.1 05:00

 □法政大学大学院政策創造研究科教授 アタックスグループ顧問・坂本光司

 スズキ機工(千葉県松戸市)というものづくり企業がある。従業員数は16人ながら、オーダーメードの各種産業用自動機械や、ユニークな多数の自社ブランド商品を設計製作する独立企業である。

 創業は1971年。現社長である鈴木豊氏の実父が製缶機械メーカーを独立して、スタートしている。

 創業当社は18リットル缶を生産する製缶機械のメンテナンスを主に経営を行っていたが、バブル崩壊や缶の樹脂化・低価格化などにより、業界全体がシュリンクしていくとともに、倒産も相次ぎ、一時、同社も連鎖倒産の危機に陥ったが、請われて入社した現社長の苦労と手腕で、見事その危機を乗り越え、今や注目されるものづくり企業の1社となった。

 現社長は、前職がある大手商社の営業マンであったということもあり、受注不足を補うために新規取引先の開拓に尽力し、次から次に新しい仕事の受注に成功した。しかしながら、従来の仕事の大半が対応型商品であり、開発がらみの仕事の経験が決定的に不足していた。このため、せっかくの仕事を思うように商品化できなかった。

 人財の確保といっても、会社そのものが極めて不安定な状況であり、それをしたくても、給料の支払い能力すら不十分な状況だった。

 こうしたこともあり、鈴木社長は経済学部出身だったが、昼は営業をし、仕事が終わった夜は独学でCADや電子技術、機械工学を学んだ。苦節1年、自慢の営業力に加え、機械も電気・電子関係も設計製作できる高度複合人財に社長自身が変身したのである。

 一方、社長自身が先生となり、社内の技能者の技術者化を進めると同時に、社員重視の経営の実践を明確化し、それをとことん実行していったのである。数年後、かつての「指示待ち型企業・対応型企業」が「提案型企業・創造型企業」に変化・変貌をしていった。

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