老舗喫茶「アマンド」の復刻メニュー「アマンド昭和食堂」が人気を集めている。復刻メニューは昨年、創業70周年を迎えたアマンドの記念事業の一つとして考案したもので、昭和40年代に提供していたハヤシライスやスパゲティナポリタンといった洋食を当時の作り方で味を再現、昨年10月に発売した。アマンドのようなフルサービス式喫茶店はスターバックスコーヒーやドトールコーヒーといったセルフ式コーヒーチェーンの台頭で押され気味だが、復刻メニューの提供で顧客の裾野を拡大したい考えだ。
同昭和食堂で提供しているメニューは「ハンバーグライス」(ドリンク付き価格1100円)、「ハヤシライス」(同1000円)、「スパゲティナポリタン」(同1000円)、「スパゲティコスモポリタン」(同1000円)などの6種類。1番人気はハヤシライスで、牛バラ肉のだし汁をベースに6時間煮込み、マデラ酒を利かせているのが特徴。当時の味により近づけるため、「当時、アマンドで働いていたシェフを採用した」(茂田優社長)という力の入れようだ。
復刻メニューは洋食だけにとどまらない。昨年11月にはデザートメニュー「アマンド昭和パーラー」を加えた。「フルーツポンチ」(ドリンク付き価格1180円)、「苺ミルクサンデー」(同1380円)、「バナナチョコサンデー」(同1280円)など6種類を用意。茂田社長は「今後メニューを拡充し、売り上げアップを目指す」と意気込む。
オーダーするのは当時、店内で食べたことがある40~60代のミドル層が中心だが、20~30代の若年層と幅広い層からの注文も多いという。売れ行きも好調で、投入後、今年2月までの洋食部門の売上高の伸び率は約25%に達し、全体を押し上げる原動力となっている。