【論風】トランプ政権の原子力政策に学ぶ 原子力規制委に政治的均衡を (2/3ページ)

 ユッカ山計画支持派の多くは、閉鎖後に乾式(空冷)で密封したキャスク(容器)で使用済み燃料を保管し続けている原発の地元関係者たち。全米にあるこれらのキャスクの行き場としてWCSテキサス処分場が手を挙げた。そこでキャスクを保管することは、あくまでも「中間貯蔵」であって「最終処分」ではない。将来的にここが最終処分場に姿を変えるかどうかは政治的に重要な話ではなく、決めないのが常道。WCSテキサス処分場での中間貯蔵が永続されても、何ら政治的な動きは出てこないだろう。

 一方、米国で起きた原発事故で何が変わったのか。1979年のスリーマイル島(TMI)事故の後、事故だけでなく、当時のインフレ状況やエネルギー使用構造の変化などの理由から多くの原発の新設が撤回されたが、現存する原発のほとんどは同事故後に許可されたため、事故が米原子力産業にとって終末を告げたわけではなかった。

 同事故後の規制強化や原発向け政府債務保証枠の設定などの政策対応もあり、2007年以降は新規建設許可が相次いだ。直近の新設は昨秋竣工(しゅんこう)したワッツバー2号機(テネシー州)だ。

 事業者は、TMI事故、チェルノブイリ事故(1986年)、米中枢同時テロ(2001年)から多くを学び、その教訓を反映させているからこそ原発はより安全になっている-など、安全対策の改善点を強調するようになった。TMI事故後に米国内の全ての原発を停止したということはない。米国では、事故を起こしていない原発を強制的に停止させたり、再稼働を認めない、というような運用はしていない。

原発推進の意義