注文する人が多いのは320円の「ラーメン」(スガキヤ公式サイトより)【拡大】
「きしめん」や「味噌煮込みうどん」で知られる名古屋だが、ラーメンの印象は弱い。全国各地のご当地ラーメンとして、たとえば北海道の「札幌ラーメン」、東北の「喜多方ラーメン」、関東の「佐野ラーメン」や「東京ラーメン」、近畿の「和歌山ラーメン」、九州の「博多ラーメン」や「熊本ラーメン」は有名だが、「名古屋ラーメン」は聞いたことがない。
名古屋市内に本店を持つ、老舗台湾ラーメンの「味仙(みせん)」や、台湾まぜそばの「麺屋はなび」など当地で有名で東京進出を果たした店はあるが、まだ限定的な存在だ。
名古屋市に本社がある「スガキヤ」はこれらの店とは訴求が異なり、こだわりの“ラーメン通”をうならせる店ではない。だが世代を超えて多くの客が来店する「名古屋人のソウルフード」となっている。戦後まもない創業で、現在は派生ブランドを含めると愛知県内に200店もある。生まれも育ちも同県で、ここのラーメンを一度も食べないで大人になった人は少ないのだ。なぜ、ソウルフードとなったのだろうか。