全身まるで「クロマグロのトロ」 高級魚スマ新ブランド 愛媛で養殖魚出荷

 全身がクロマグロのトロのようで美味だと評される高級魚スマの養殖ブランド「伊予の媛貴海」の出荷式が9日、愛媛県愛南町の愛南漁協で開かれた。県や愛媛大などが昨年、養殖した成魚から採卵し人工的に育てる「完全養殖」に成功、厳しい独自規格を定めて全国に売り込みを図る。

 媛貴海として認定されるには「重さ2.5キロ以上」「脂質の含有率25%以上」などの規格基準を満たす必要がある。これまで試験販売のみだったが、安定供給にめどが付いた。今年は順次約2千匹を出荷する予定で、将来は年間6万4千匹の出荷を目指している。

 スマはマグロやカツオと同じサバ科。出荷式で中村時広知事は「マグロよりサイズが小さく、必ず新しいマーケットができる。私自身も販売の先頭に立ちたい」とあいさつ。関係者が見守る中、職員がスマ1匹をはかりに置き約2.7キロと確認。ケースに入れて出荷用トラックに積み込んだ。