呉服屋として1903(明治36)年に創業し、114年の歴史を誇る茂木商事(東京都新宿区)。戦後はウエディングドレスの販売や婚礼貸衣裳を軸に発展してきた。そんな同社がいまマタニティーウエディング関連ビジネスを強化している。専用の結婚式場紹介サロンを拡充しているほか、妊婦に特化したドレスショップも展開。増加傾向にあるマタニティーウエディングの支援を本格化する。
同社事業の背景には結婚式に対するニーズの変化がある。現在「イノセントリー」ブランドでウエディングドレス関連の事業を展開し、「これまで30万組もの衣装のお手伝いをさせていただいた」(茂木克祐社長)という業界の老舗だ。従業員は衣装の着付けや打ち合わせで新婦から、さまざまな相談を受けることも多く、事情やニーズを把握しやすい。そんな現場から「マタニティーウエディングへの対応を強化すべきではないか」という声が上がるようになったという。
ウエディングドレスはそもそも妊婦の着用を想定していない。むしろ締め付けのきつさなど妊婦には向かないといえる。従来おなかが大きな時期は、大きめのサイズを無理やり合わせるのが一般的だった。