日産自動車が11日発表した平成29年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比6・4%減の7422億円と3年ぶりの減益だった。世界販売は過去最高を記録したが、為替レートが円高で推移して利益を2819億円押し下げたことが響いた。
売上高は3・9%減の11兆7200億円と減収だった。だが、最終利益は26・7%増の6634億円と過去最高を記録。部品子会社カルソニックカンセイの株式売却益1115億円を計上したことなどで利益が膨らんだ。世界販売は日本が減少したが、中国や米国が伸び3・7%増の562万6千台だった。
一方、30年3月期連結業績予想は売上高が前期比0・7%増の11兆8千億円、営業利益が7・7%減の6850億円、最終利益が19・4%減の5350億円と増収減益を見込む。原材料費の上昇や、生産拠点のあるイギリスのポンド安(円高)などが収益を圧迫する。