風力が引き起こした問題は停電だけではない。豪州では、国際商品である天然ガスと石炭の価格上昇に伴い、電力の卸価格の上昇に見舞われた。その際、再エネ依存率が高い南オーストラリア州では価格変動が激しくなり、昨年7月には卸価格が、瞬間的に数百倍高騰し、1キロワット時当たり14豪ドルに達する事態に陥った。昨年4月以降の月平均の卸価格の推移は図の通り。
こうした事態を解決しますと乗り出てきたのがテスラのマスク氏だった。
再生エネに不可欠
今年2月の停電後、マスク氏は「南オーストラリア州の問題を解決するため、10万キロワットの蓄電池を契約後100日以内に設置する。100日以内に設置できなければタダにする」とツイートした。このツイートが大きな反響を呼び、マスク氏は、同州政府首相、豪連邦政府首相と電話で話をすることになった。さらに、ウクライナの首相もツイッター経由でマスク氏にコンタクトした。