提携合意から1年 ゴーン氏が見据える世界販売首位 アジア得意な三菱自がカギ (2/2ページ)

 拡販戦略に加えて収益力強化に向けた連携も急ピッチだ。三菱自のインドネシア工場で生産した車両を日産に供給するほか、部品の共通化や共同購買にも取り組んでコストを減らす。

 こうした取り組みにより三菱自は2017年度以降に250億円以上、日産は17年度に240億円の提携効果を見込む。既に効果は顕在化し始めており、三菱自の18年3月期の連結最終損益は前期の1985億円の赤字から680億円の黒字にV字回復する見通しだ。(今井裕治)

 ■日産自動車と三菱自動車の資本業務提携の推移

 2016年4月20日

 ・三菱自の軽自動車で燃費データを改竄(かいざん)する不正があったと発表

 2016年5月12日

 ・日産と三菱自が資本業務提携で基本合意

 2016年10月20日

 ・日産による三菱自への34%の出資完了。三菱自の会長に日産のカルロス・ゴーン氏が就く人事を内定

 2016年12月14日

 ・三菱自が臨時株主総会と臨時取締役会を開き新経営体制を発足

 2017年4月1日

 ・日産のゴーン氏が社長を退き会長に。社長に西川広人氏が就任

 2017年4月20日

 ・三菱自の燃費不正問題から1年

 2017年5月9日

 ・三菱自の17年3月期連結最終損益が1985億円の赤字に。18年3月期は680億円の黒字とV字回復を予想

 2017年5月12日

 ・日産と三菱自の提携基本合意から1年