記者会見するシャープの野村勝明副社長=4月28日、東京都中央区【拡大】
経営再建中の東芝を除く電機大手7社の2017年3月期連結決算が12日、出そろった。円高が響き、全社が減収、4社が営業減益となった。台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業傘下のシャープは、戴正呉社長が主導する構造改革やコスト削減の効果で営業黒字に転換した。18年3月期は4社が増収増益を見込む。
日立製作所の17年3月期連結決算は、鉄道事業の英国向けの売り上げなどが拡大したが、円高が売上高を約4900億円、営業利益を約730億円押し下げた。
三菱電機も工場の自動化に使われるファクトリーオートメーション(FA)システムや、鉄道車両用電機品など社会インフラの受注が前期を上回ったものの、円高が約1860億円の減収、約620億円の営業減益の要因となった。
シャープは構造改革やコストダウンが想定以上の効果を上げ、全事業部門が営業黒字を確保。最終損失の赤字幅は前期の約10分の1にまで圧縮した。
液晶パネルなどディスプレイデバイス事業は、国内や中国でのテレビ販売が好調だったことなどから営業損益が35億円の黒字(前期は1772億円の赤字)に転換した。18年3月期の業績予想は見送ったものの、「最終黒字は当然。増収増益を目指す」(野村勝明副社長)考えだ。