ビール大手4社の2017年1~3月期の連結決算が、15日出そろった。ビール類の国内市場は縮小が続いているものの、清涼飲料の収益が改善されたことなどから、販促費が膨らんだサッポロホールディングス(HD)以外の3社が営業増益を確保した。
同日決算を発表したアサヒグループHDの最終利益は前年同期比29.8%増だった。酒類の事業利益は2%増にとどまったが、炭酸や乳酸菌飲料が好調だった飲料の事業利益が約9倍となり全体を牽引(けんいん)した。
サントリーHDとキリンHDはビール類が苦戦したものの、緑茶飲料が好調だったことやコスト削減が奏功し、飲料事業の利益率が改善された。
サッポロHDは、主力のビール販売はプラスだったが、広告宣伝費などがかさみ、最終損益は23億円の赤字(前年同期は20億円の赤字)に悪化した。
■ビール大手4社の2017年1~3月期連結決算(売上高/営業損益/最終損益)
サントリーHD 5871(▲1.3)/364(18.8)/112(▲3.5)
キリンHD 4721(▲2.4)/368(45.4)/181(74.7)
アサヒグループHD 3791( 9.6)/136( 5.7)/ 27(29.8)
サッポロHD 1177( 5.7)/▲14( - )/▲23( - )
※単位は億円。カッコ内は前年同期比増減率%、▲はマイナスまたは赤字、- は比較できず。アサヒグループHDは国際会計基準、サントリーHDは非上場