カードローン、多重債務の温床に?貸出残高が急増、3メガで1.6兆円  (1/2ページ)

3メガバンクの看板。銀行のカードローンを利用する人が増えている(ブルームバーグ)
3メガバンクの看板。銀行のカードローンを利用する人が増えている(ブルームバーグ)【拡大】

 銀行が無担保で貸し付けるカードローンの貸出残高が年々増加し、多重債務の温床となる恐れが浮上している。メガバンク3行の3月末の貸出残高は前年比約1割増の計1.6兆円に膨らんだ。過去には消費者金融による過剰な貸し付けで自己破産が多発したこともあり、各行は自主規制に乗り出した。ただ日本弁護士連合会(日弁連)などは「自主規制による対応では不十分」とし、法改正などを求めている。

 「カードが届いたら破棄していいので、作るだけでもお願いできませんか」

 大手行の40代女性行員は窓口客にカードローン契約をお願いすることがある。

 ノルマではないが契約目標があり、上司からも勧めるようハッパをかけられている。

 日銀のマイナス金利で超低金利が続く中、カードローンは「高金利が見込めるうまみのある事業」(関係者)だからだ。

 実際、国内銀行の平成28年12月末の貸出残高は約5.4兆円と、5年で1.7倍に急増。中でも、三井住友、三菱東京UFJ、みずほのメガ3行で全体の約3割を占め、3月末残高はそれぞれ前年比5~17%増えた。

 ただ、一部では過剰な貸し出しもみられる。日弁連によると年収220万円の60代女性が500万円を借り、自己破産するケースが発生。消費者問題に詳しい三上理弁護士は「住宅ローンなどを除き、一般的には借入金が年収の3分の1を超えると返済は困難」と指摘する。

 かつて、消費者金融の過剰貸し付けが社会問題化。貸金業法が改正され、消費者金融の貸出額は「年収の3分の1」という上限が定められた。当時、消費者への無担保貸し付けをほとんど行っていなかった銀行は対象外となったが、現在は傘下に消費者金融を取り込むなど状況は変わった。