東京証券取引所などに上場する地方銀行82社(持ち株会社を含む)の平成29年3月期決算が16日までに出そろった。日銀が28年2月に始めたマイナス金利政策を背景に貸し出しの利ざやが縮小し、全体の約8割に当たる64社の最終利益が前期に比べて減り、1社は赤字に転落した。最終損益の合計は前期比11.0%減の1兆632億円だった。
30年3月期も64社が減益を予想し、最終利益合計は17.4%減の8782億円と5年ぶりに1兆円の大台を割り込む見通し。
決算を集計した三菱UFJモルガン・スタンレー証券の笹島勝人シニアアナリストは「本業のもうけの減少が大きく、(最近進んでいる)再編は抜本的な解決策になっていない。ITなどを活用した大幅な経費削減が必要だ」と指摘した。
地銀同士の経営統合で28年にそれぞれ発足したコンコルディア・フィナンシャルグループとめぶきフィナンシャルグループは、30年3月期は大幅減益を見込む。