司法に翻弄された高浜原発再稼働 規制委員長「住民の信頼回復を」 (1/2ページ)

関西電力高浜原発の中央制御室で、4号機の再稼働操作を行う運転員ら=17日午後5時、福井県高浜町(永田直也撮影)
関西電力高浜原発の中央制御室で、4号機の再稼働操作を行う運転員ら=17日午後5時、福井県高浜町(永田直也撮影)【拡大】

  • 関西電力高浜原発4号機(手前。奥は3号機)=17日午前9時34分(本社ヘリから、奥清博撮影)

 17日夕に再稼働した関西電力高浜原発4号機について、新規制基準に基づく審査を行った原子力規制委員会の田中俊一委員長は同日の定例会見で、「小さなトラブルでも国民や住民に心配を与えるのだから、十分に注意して(再稼働を)やってほしい」と慎重な運用を関電に求めた。大津地裁による運転差し止め仮処分命令から1年2カ月。司法判断に翻弄された再稼働をめぐり、規制機関のトップは「信頼回復」を事業者への第1の課題に挙げた。

 大津地裁は仮処分命令で、東京電力福島第1原発事故を教訓に策定された新規制基準が求める過酷事故対策について、「このような備えで十分との社会一般の合意が形成されたといってよいか躊躇せざるを得ない」と指摘。1年後の大阪高裁判決では一転、「最新の科学的・技術的知見に基づいて策定されており、不合理とはいえない」と新規制基準の価値を認めた。

 「私からいろいろ言うと物議を醸しそうだから言いませんけれど、いろんな方がいろんな評価をしていると思いますけどね」

「事故対策が、裁判官に否定されるのは納得いかない」