シャープの戴正呉社長【拡大】
シャープは18日、ソフトバンクグループがサウジアラビアなどと共同設立する投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に最大10億ドル(約1126億円)を出資すると発表した。投資期間は5年間。
シャープは、ファンドが投資対象とする「モノのインターネット(IoT)」などの先端技術を持つ企業と接点を増やし、将来の成長戦略や収益拡大につなげるとしている。
同ファンドは昨年10月にソフトバンクが設立を表明。ソフトバンクが5年間で250億ドル(約2兆7千億円)拠出し、サウジアラビア政府系の「公共投資ファンド(PIF)」も最大450億ドル(約4兆9千億円)を拠出する可能性がある。他の投資家からも出資を募り、運用規模は10兆円を超えるとみられる。
経営難に陥ったシャープだが、平成29年3月期の連結営業利益で3年ぶりの黒字を確保した。シャープを買収した台湾の鴻海精密工業による支援のもと、コスト削減と合理化による経営再建が進んできた。財務基盤も鴻海精密工業を後ろ盾に安定しつつあり、今後の反転攻勢を見据え、ソフトバンクのファンドへの出資を通じて新たな収益源となる事業領域を開拓し、成長路線への転換を進めたい考えだ。