全国地方銀行協会の中西勝則会長(静岡銀行頭取)は17日の定例会見で、長崎県を地盤とする十八銀行と親和銀行が貸出債権の一部を他行に譲渡する準備を始めたことに関し「公正取引委員会の審査をクリアするためなら顧客不在で本末転倒だ」と批判した。日銀や金融庁がバブル化を警戒しているアパートローンは、不良債権化しないよう注視する姿勢を示した。
十八銀はふくおかフィナンシャルグループ(FFG)と今年10月の経営統合を目指している。FFG傘下で同じ長崎県内の親和銀との合併も予定し、公取委の審査が続いている。
中西氏は「形をつくるための債権譲渡には賛成できない」と述べ、関係者に地域の顧客の意向を踏まえた慎重な対応を求めた。合併自体は「一つの選択肢としていいことだ」と指摘した。相続税対策の一環として、地方の富裕層向けなどでアパートローンは残高が急増している。