半導体大手のルネサスエレクトロニクスは18日、発行済み株式のうち最大で25%に当たる4億2243万2900株を筆頭株主で官民ファンドの産業革新機構などが市場に売り出すと発表した。自立経営の度合いを高め、海外展開を柔軟に進めたい考えだ。
機構は2割近い株式を手放すことになる。保有割合は現在の69.15%から50.1%に下がる見通しで、過半数は維持するという。ほかにNECと日立製作所、三菱電機も保有株の一部を手放す。
売り出し価格は6月12日以降に決定。22日に売却が完了する予定。
ルネサスはリストラが一段落し、成長が見込める自動車分野を伸ばすため米半導体企業を買収するなど攻勢に転じている。呉文精社長は、特定企業の傘下に入らず、独立路線で世界に挑む考えを示してきた。
ルネサスは日立と三菱電機の半導体部門が統合した旧ルネサステクノロジと、旧NECエレクトロニクスが合併して2010年に発足した。東日本大震災で工場が被災するなどして経営が傾いたが、機構の支援を受け立て直しを進めてきた。