任天堂「スイッチ」好調 その陰で本格始動のスマホゲーム失速 依然残る課題 (1/3ページ)

2017.5.28 13:13

「スーパーマリオラン」のゲーム画面
「スーパーマリオラン」のゲーム画面【拡大】

  • 「ファイアーエムブレムヒーローズ」のゲーム画面

 任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」が好調なスタートを切った。3月の発売直後から品薄が続く人気で、同社は平成30年3月期に9年ぶりの増収に転じる見込みだ。一方、新たな事業の柱とすべく昨秋、本格展開を始めたスマートフォン向けアプリには勢いがみられない。主力事業は活況に沸くが、新たな収益モデルの確立という課題は依然残っている。

ビジネスの流れ変える

 「良いスタートを切れた。正直ほっとしている」。4月27日、任天堂の君島達己社長は、29年3月期決算についての記者会見の席上、スイッチの好調に安堵の表情を浮かべた。

 スイッチの世界販売台数は、3月3日の発売から1カ月で274万台。予定の200万台を大きく上回った。

 君島社長は「今期(30年3月期)はスイッチの立ち上げでビジネスの流れを変え、販売1千万台を目指す」と意気込む。そうなれば、前機種「WiiU(ウィー・ユー)」の販売不振、業績低迷という悪夢から抜け出せる。

 だがスイッチとは別に「ビジネスの流れ」を変えると期待していたスマホ向けアプリは、高い話題性の割に収益効果は乏しい。29年3月期の連結売上高4890億円のうち、スマホアプリ関連は200億円未満。前期のほぼゼロからは増えたものの、柱の事業とするには物足りない。

「スーパーマリオラン」は目標に届かず

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