国際協力機構(JICA)は7日、フィリピンで水道事業を手がけるマニラッドウォーターサービシズに対し、三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行などと約250億円を協調融資する契約に調印した。政府が平成27年に「質の高い」インフラ輸出を支援するためJICAの運用方針を見直し、民間金融機関との協調融資に道を開いた。今回がその第1弾となる。
三菱UFJなど邦銀は上水道の拡張事業に約80億円融資。一方、JICAは収益性の見込みにくい配水管の修繕といった配水時の水漏れを減らす事業に約165億円を貸し出す。
クボタ製の配水管導入を検討。低価格を武器にする中国に対抗し、日本は安全で長持ちするインフラの輸出を官民連携で推進する。
また、JICAは融資の約20%をフィリピン・ペソ建てとし、マニラッドの為替変動リスクを軽減する。JICAが現地通貨建てで融資するのは初めて。官民連携で経済成長や人口が急増するフィリピンの生活向上に貢献する。
マニラッドは、マニラ首都圏の中でも比較的貧困層の多い西地区(人口約985万人)の上下水道事業を手掛けており、丸紅が20%出資している。