一方、JR西は現在、関空から大阪に向かう途中、大阪市内では環状線を使って大回りしているが、なにわ筋線により所要時間を短縮できる。また、北梅田から北に伸びるJR東海道支線で新大阪とつながる。
南海も、なにわ筋線計画に参画することで悲願だった「梅田進出」の切符を獲得。競合を警戒するJR西が計画に難色を示した時期もあったほど、南海のメリットは大きいとみられている。
行き止まりの扉
「できるだけ早く作っていただき、また新たな需要を生み出したい」。京阪電気鉄道の加藤好文社長も、なにわ筋線への期待を語る。同社中之島線が中之島駅で接続することになるからだ。
中之島-天満橋を結ぶ京阪中之島線は平成20年10月に開業。「平日に1日8万人」の乗客数を目指したが、28年度は1日2万8千人程度にとどまる。中之島フェスティバルタワーやダイビル本館、新ダイビルなど、近隣の大型開発に伴って増加傾向にはあるものの、終着の中之島駅が他の鉄道と連絡せず孤立していることが弱点だ。