■空室問題解消などで相乗効果
液化石油(LP)ガスを中心とするエネルギー企業のエネジン(浜松市中区)が地域への社会貢献活動に本腰を入れている。「より深く地域に根差し、なくてはならない存在を目指す」(藤田源右衛門社長)との考えから、ガス供給エリアのアパート経営者らとともに空室問題解決に取り組み、祭りや防災訓練を支援するなど社を挙げた活動が特徴だ。
同社は、企業の社会的責任(CSR)としてLPガスの安定供給や従業員の雇用維持・拡大、金融機関・取引先との安定取引、十分な納税、株主配当、防災対策を挙げるが、それだけでは不十分と考え、地域への社会貢献活動を積極化することにした。その活動は地元でも注目されている。
中でも評判の良いアパートの空室問題解消に向けた支援活動は、同社営業企画部門が中心となっている。アパートオーナーである地主の関心事が、資産の承継問題であることも多いという。そうした承継問題はもちろん、その前提として必要となる空室の少ない安定したアパート経営も支援する。ガス会社の同社には、アパートの住人も重要な顧客。空室解消はエネルギー供給の増加にもつながる。
必要に応じて工務店をアパートオーナーに紹介するなど、顧客同士のマッチングも進め、地域内で相乗効果を生み出せるよう配慮しているという。