
「ルモンドふじがや」の人気のコース。料理に合わせ、ソムリエが厳選した3種の静岡茶も楽しめる【拡大】
緑茶を食材として料理に使用する「食茶」が広がりつつある。湯に浸した後ではわずか35%しか残らないカテキンやテアニン、ビタミン類などが含まれると言われる緑茶特有機能性成分を、茶葉を食べることで丸ごと体に取り入れられる利点があるそうだ。
ぐるなびと静岡県は5月16日、茶をはじめとした県産食材の地産地消を進める「生産者と飲食店の情報交換会」を開催し、県内の生産者約30社と飲食店関係者約50人が参加。特定非営利活動法人(NPO法人)「日本食茶の会」の石川味知子理事長によるセミナーでは緑茶の歴史や効能について学んだ。一般的に飲み物として日本人に広く親しまれている緑茶だが、発祥の地とされる中国では茶葉を使った郷土料理もあるという。実際に懐石料理やフレンチといった日本の飲食店でも提供されている食茶メニューのレシピが紹介されると、参加者は熱心に耳を傾けており、関心の高さをうかがわせた。
今年で開店50周年を迎えた鉄板焼き「ステーキ&欧風料理 ルモンドふじがや」(静岡市葵区)では、10年ほど前から静岡茶を取り入れたメニューを展開。一見、異色の組み合わせだが、「ワインと同じ感覚で、地元産のお茶を料理と合わせてお店でおいしく淹(い)れたいと思ったのがきっかけ」と、日本茶インストラクターの資格を持つソムリエの白鳥智香子さんは語る。同店ではパスタやニョッキに緑茶を練り込んだメニューを開発。現在は単品5種に加え、「ようこそ静岡 静岡茶とお茶オードブル、静岡抹茶スイーツを楽しむコース」(ランチ3888円、ディナー7000円、要予約)を提供している。