日本郵政、前途多難な成長戦略 国内外の物流立て直し急務

2017.6.19 21:32

 野村不動産HDの買収が白紙になったことで、日本郵政の成長戦略の見直しは避けられなくなった。傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の新規業務は認可されたが、黒字化には時間がかかりそうだ。郵政は今後も買収先を探す方針だが、本業である国内外の物流事業の立て直しが喫緊の課題だ。(大坪玲央)

 「野村不HD買収で、毎年数百億円の収益が見込めるのは大きい。高くても買うべきだという意見は最後まであった」

 郵政幹部は、買収価格が折り合わず“破談”にせざるを得なかったことについて、苦渋の表情でこう打ち明けた。

 関係者によると、郵政と野村不HD筆頭株主の野村ホールディングス(HD)で価格交渉が本格化したのは6月に入ってから。5月に買収交渉が報道されて以降、野村不HDの株価が高止まっていたこともあり、価格をつり上げようとする野村HD側と、高すぎる価格に難色を示す郵政側の交渉は難航。5月中旬から始まった野村不HDの資産査定も中断していたようだ。

 そもそも、郵政傘下の日本郵便は赤字体質。このため、郵政は金融2社の株式の一部を売却後、新たな事業の柱として不動産事業に目をつけ、野村不HDの買収をもくろんだ。

 しかし、買収価格でずれが生じていただけでなく、両社がシナジーを発揮できるかどうかも内外から疑問視されていた。高級マンション事業を得意とする野村不HDに対し、郵政は東京駅前や博多駅前に開業した「KITTE」のような商業ビルの開業・運営ノウハウを取り込みたかったとみられ、見通しの甘さも露呈した。

 郵政幹部は「別の買収先を選ぶのは時間がかかる」とこぼす。収益向上に向け、豪物流会社トール・ホールディングスの統治強化や国内の宅配便価格の見直しなどコスト改善を急ぐ必要に迫られるのは必至だ。今回の買収破談は郵政グループの「前途多難な実態」を改めて浮き彫りにした。

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