障害者が製作した商品を手に取ってみる買い物客=5月30日、東京・新宿【拡大】
障害者支援施設で製作された雑貨などを適正価格で販売するROXが本格的に販路開拓支援に乗り出した。代表者の白岩圭さんは「一般商品と遜色なく、価値に見合った価格で売れれば作り手の収入がそれだけ増える。自立にもつながるのでサポートしたい」と語る。その一環として、障害者のハンドメード製品を扱う専門ブランド「コズミックマーケット」を立ち上げ、見事なデビューを果たした。
それは5月24~30日に東京・新宿の東急ハンズ新宿店で開催した展示販売会。15の障害者施設が参加し、染め物や革製品、陶器などの手作り製品約200点が並んだ。
足を止めた買い物客のほとんどは障害者が作ったものとは知らずに製品を手にしていた。木工パズルを気に入った外国人は「木製でこんなに繊細な外国製品はない」と驚いていた。日本語で書かれたメッセージカードも意味を知って喜んで買っていくという。30万円の予算に対し売り上げは50万円に達した。
元大手百貨店のバイヤーだった白岩さんと障害者を結びつけたのは、途上国の生産者や労働者の生活に配慮し公正な価格で取引するフェアトレード。「以前はばりばり働き、『私が、私が』と競争に明け暮れていた。こうしたやり方に価値はないと気づかされた」と振り返る。