シャープ本社=20日午前、堺市堺区(彦野公太朗撮影)【拡大】
シャープのツイッターフォロワー数(昨年12月)は、日本の家電・電機メーカーでトップ。集計サイトfacenaviによると、その数は約33万人と全産業中で23位だった。シャープ広報担当者は「ここまで多くのフォロワーを抱え支持されていることは、弊社のファン増加に多大に貢献していると認識している」とコメントした。
山本さんは業務上シナジーがなさそうなタニタ、セガなどの「中の人」のつぶやきにも反応する。実際には「中の人」という生身の人間がつぶやいているという感覚を忘れたツイッター上のやり取りから、新しい何かが生まれることを実感しているという。
シャープとタニタの公式アカウント間のやり取りを人間模様に例えた漫画や、セガの往年の家庭用ゲーム機「セガサターン」の起動音が鳴るタニタの体重計など、ツイッター発の商品化検討例もある。
ただ、英調査会社ユーロモニターの五来祐里アナリストは「日本の利用者の中心は10代から20代の若者世代。将来の潜在顧客層に興味を持ってもらうために活用する姿勢が大切になってくる」と話す。
法政大学の青木貞茂教授(社会学)は「中の人」たちに「間違ってほしくないのは、ツイッターも人が扱うインフラでしかないということ。必ず面白いやり取りができるわけではなく、従来メディアと同様に何を発信するかが重要だ」と指摘する。ツイッター社の広報担当によると、昨年9月現在の日本国内のアクティブ利用者は約4000万人に上る。
12年にツイッターを立ち上げたセガサミーホールディングス。「中の人」こと広報部の山田愛さんは「ジャズのセッションのような感じ」のやり取りが醍醐味(だいごみ)だという。シャープの山本さんは「会社のためというよりお客さんが好きで、ユーザーが好き。彼らに対して誠実に答えたい」-。今日もつぶやき続ける。(ブルームバーグ Takako Taniguchi、Stephen Stapczynski)