旭化成ホームズは新しい断熱工法を開発、戸建住宅「ヘーベルハウス」への標準搭載に着手した。また、2階建ての主力商品「ヘーベルハウス キュービック」で、太陽光パネルを効率的に搭載できる屋根形状の新商品を投入した。
政府は地球温暖化対策の一環として2020年までに注文新築住宅の過半数で、年間に消費する正味のエネルギー量がおおむねゼロ以下となるZEH(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指している。旭化成ホームズのZEH比率は16年度で11%だが、新工法の開発などを通じて20年には70%達成を目指す。
断熱性を向上させるには、1階床部の断熱対策が重要なカギを握る。これまでは基礎部の断熱工事で対応していたが、コストを要するのに加え、工期が1週間程度延びるため「従来法に依存していては20年の70%達成は厳しい」(加藤明・マーケティング本部次長)のが現状。これを踏まえ、旭化成ホームズが開発、実用化したのが「ヘーベルシェルタードダブル断熱構法」だ。
ヘーベルハウスは外壁と床、屋根に構造部材「ヘーベル」というALC(軽量気泡コンクリート)を使用している。今回はヘーベルに接した部分の断熱材を厚くして省エネ・断熱性を大幅に高めた。
具体的には厚さ75ミリの外壁ヘーベルの内側に、旭化成独自の断熱材で厚さ45ミリの「ネオファーム」を採用した。また、厚さ100ミリの床ヘーベルの上には、従来の3倍の厚みとなる60ミリの断熱材を重ねた。
既存工法で施工した場合、床が厚くなった分、天井の高さが低くなる。このため、柱を伸ばすなど鉄骨の構造体も一部見直した。
こうした取り組みによって、2階建ての断熱性はすべての商品で、国が定めるZEH水準を上回った。