□西友 企業コミュニケーション部サステナビリティ・森松絵美氏
総合スーパーの西友(東京都北区)は、持続可能な水産資源確保に向けて国際的に広く展開されている漁業改善プロジェクト(FIP=Fishery Improvement Project)に取り組んでいる。5月には日本初のFIPとして東京湾で水揚げされたスズキの鮮魚販売を本格化した。日本の小売企業がFIPに参画し、商品提供する初のケースで、企業コミュニケーション部サステナビリティ所属の森松絵美氏は「日本でなじみのないFIPを、今回の販売を入り口にお客さまの理解を高めたい」と話す。
◆日本初のFIPに参画
--具体的な取り組みは
「西友は昨年11月、日本初のFIPとして千葉県船橋市の卸売業者、海光物産と国際環境NGO(非政府組織)のオーシャン・アウトカムズが東京湾での持続可能なスズキ漁を目指して立ち上げた『東京湾スズキ漁FIP』への支援を決めた。FIPは『海のエコマーク』とも呼ばれる海洋管理協議会(MSC)による持続可能な水産資源の国際認証を得る準備事業とされ、水産資源を扱う小売業の社会的責任からコンサルティング会社のシーフードレガシーの紹介で参加した」
--FIPに取り組むきっかけは
「親会社の米ウォルマート・ストアーズは、グループを挙げて環境を持続させる商品提供に努めている。水産資源については米国、カナダで扱う商品の100%近くをFIP対象品が占める。ただ、アジアは世界の7割近い漁獲量がありながらFIP参加者が少ないのが現状で、西友は消費者喚起も図る観点で日本初のFIPに参画した」