鹿島は26日、シンガポール・ビダダリにある約2.5ヘクタールの国有地の借地権を約900億円で落札し、来年にも住宅と商業施設の複合開発事業に乗り出すと発表した。建設費を含む総事業費は1000億円を上回る見通し。同社としてはアジア最大規模の不動産開発案件となる。同社は、傘下の現地法人、カジマ・デベロップメント(KD、シンガポール)を通じてアジアの不動産開発事業を加速している。今回の開発事業は、KDと現地の新聞・出版大手、シンガポール・プレス・ホールディングスの企業連合が進める。施工業者を含む計画の詳細は今後詰める。
ビダダリは同国中心部のドビー・ゴート駅から、北東に約5キロの位置にある自然に恵まれた新興住宅地。そこに、600戸を超える分譲住宅や延べ床面積約2万7000平方メートルのショッピングモールのほか、交流施設や警察署などを建てる。
鹿島グループは、インドネシアやタイなどでも進行中の案件を含め複合開発を進めてきた実績をもち、アジアでの開発案件は今回で6例目。今後とも「シンガポールや香港などで積極的に不動産の開発事業を進めたい」(広報)考えだ。