出光、月岡隆社長らを取締役再任 創業家は反対 昭和シェルとの合併巡り対立残る

株主総会後、取材に応じる出光興産創業家側の代理人=6月29日、東京都港区
株主総会後、取材に応じる出光興産創業家側の代理人=6月29日、東京都港区【拡大】

 石油元売り2位の出光興産は29日、東京都内で株主総会を開き、月岡隆社長ら取締役12人の選任を賛成多数で可決した。大株主の創業家は、月岡社長らが進める昭和シェル石油との合併に「経営判断の誤り」として反対。出光は今後も合併を目指すが、双方の意見は対立したままで解決の糸口は見えていない。

 出光と昭和シェルは今年4月の合併で合意していたが、出光株の33・92%を保有するとされる創業家が反対して延期した。月岡社長は株主総会で「今後の合併時期をお知らせすることもできない。多大な心配をかけ、おわびする」と述べた。

 この日、出光は国内の石油需要の縮小を背景に、合併による調達、物流の効率化や事業の多角化で競争力を維持する方針を説明。これに対し、創業家側の代理人弁護士は昭和シェルの太陽電池事業の採算悪化を挙げ、「多角化に失敗している会社と統合すべきではない」などと主張した。

 代理人弁護士は終了後、記者団に「創業家の懸念に納得する回答はなかった。統合を阻止する決意を新たにした」と述べた。株主総会には昨年より121人多い468人が出席し、2時間15分で終了した。

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