ITベンチャー企業の間で地方の商店を支援したり、各地にエンジニアが働く職場を提供したりする動きが出ている。ベンチャー側には地域を元気にする経済活性化への取り組みを通じてネットワークを広げ、新たな顧客や人材を獲得する狙いがある。
企業や個人の資産管理や会計ソフトを手掛けるITのマネーフォワード(東京)は昨年、福岡県糸島市で焼き肉店やキムチ製造を営むOKK FOODS(オーケーケー フーズ)にクラウド会計ソフトを提供した。50代オーナーは「レジのタブレット端末に入力すれば自動で売り上げを計算してくれるので助かる」と話す。
節約できた時間を外回り営業に生かすなど活用し、新たにキムチ販売店をオープン。「経理の状況を常に把握できるので、銀行の融資審査も早くなった」と満足する。
同社にクラウド会計を紹介した福岡市のクラウドコンサルティングは「地域での働き手の確保が難しくなる中、多くの中小企業経営者がITによる業務効率化に関心を強めている」と話す。