米カリフォルニア州の上級裁判所は11日(米国時間)、東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却交渉に絡み、米ウエスタン・デジタル(WD)に対して機密情報へのアクセスを遮断した措置について、一時的に差し止める仮処分を命じた。WDによるアクセスが認められたのは機密情報の一部だが、売却差し止めを求めるWDに圧力をかけようとした東芝の思惑に冷や水を浴びせた格好だ。
東芝が6月28日にアクセス遮断に踏み切ったことを受け、WDは同州上級裁に7月6日に差し止めを求める提訴を起こしていた。同28日に審問が行われる予定で、改めて両社の主張を踏まえた裁定が下る。今回のアクセス遮断の差し止めは同日までの暫定的な措置となる。
東芝は12日にアクセス遮断を解除した。だが、WDによるアクセスが認められたのは6月27日以前の一部の情報で、全体の半分に満たない情報量とみられる。東芝に帰属する情報へのアクセスのほか、WD社員による合弁会社社員のドメインを使った電子メールのやり取りなどは引き続き禁止されている。
限定的な仮処分となったが、WDは「我々の主張の正当性を示すものと考えており、決定を歓迎する」との声明を出した。