【ユーロ経済学】金融ハブ誘致合戦、過熱 パリ巻き返し躍起、オランダも参戦 (1/3ページ)

ロンドンの金融街「シティー」。EU内では英離脱に伴う銀行の誘致合戦が熱を帯びてきた(AP)
ロンドンの金融街「シティー」。EU内では英離脱に伴う銀行の誘致合戦が熱を帯びてきた(AP)【拡大】

 英国の欧州連合(EU)離脱に伴い、EU加盟国間でロンドンを欧州拠点とする金融機関の誘致合戦がヒートアップしてきた。有力候補地を持つ加盟国は優遇措置も模索するなど金融機関の引き寄せを図っており、今後さらに激しくなる可能性もある。

 ◆労働市場改革を提案

 「パリをもっと魅力的にする決意だ。英離脱後は(パリが)欧州でナンバーワンの金融センターだ」。今月7日、こう豪語したのはフランスのフィリップ首相だ。

 意気込みは言葉だけではない。具体策として、金融機関が納める給与税の軽減▽金融取引への課税拡大計画の中止▽金融に関する係争を英語で対応する裁判所の設立-などを打ち出し、従業員家族を念頭にインターナショナルスクール増設もうたう。

 EU離脱で英国が「単一市場」を離れれば、銀行などがEU全域で自由に営業できる「単一パスポート」制度が維持できなくなる可能性があり、ロンドンの金融街「シティー」の銀行などは制度維持のため欧州拠点の移転準備を進める。最近ではゴールドマン・サックスなど米大手のほか、三井住友フィナンシャルグループなど日本の金融機関も表明した独フランクフルトへの拠点開設の動きが目立っている。

 仏メディアによると、これに対し、パリでの拠点の開設が現時点で確実なのは英HSBCのみ。仏政府が躍起となるのは、そんな状況からの巻き返しのためだ。フランスは従来、手厚い労働者保護がネックとされていたが、5月に就任したマクロン大統領は投資銀行出身で、経済競争力向上に向け労働市場改革や法人減税なども目指す。

 「政府はフランスを金融機関に優しい国にしたがっている」。在仏金融関係者はこう期待を寄せている。

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