藤井聡太四段の活躍で、将棋教室は盛況になった。スポーツクラブで、これと同様の傾向を示しているのが子供を対象にしたスクール事業。日本選手のメダルラッシュとなったリオ五輪の波及効果により、スイミング教室などの人気が高まり、2020年の東京五輪に向けてブームは続くとみられる。「メガロス」ブランドのスポーツクラブを運営する野村不動産ライフ&スポーツの大橋充社長は、スクール事業の強化を重点課題の一つに掲げる。
--スポーツクラブ業界の事業環境は
「全体的に会員と売り上げが伸びており、東京五輪の追い風に乗っているのは間違いない。また、五輪が開催された年とその翌年は子供の習い事関連が伸びる。例えばスイミング教室の場合、一度始めると長期間にわたって続ける傾向が強い。少子化だけどスクールに通う子供の比率は高まり、全体の拡大につながっている」
--どういった形態の店舗開発に力を入れているのか
「浦和パルコでリニューアルオープンした、ボルダリングを取り入れたエンターテインメント型フィットネスや24時間営業のスポーツクラブなど、新しい形の店舗だ。若者が去り、結果として女性会員が少なくなったという反省を踏まえ、多様化するニーズに対応するよう工夫を凝らしている。数を追うというよりも、メガロスの利用価値向上を重視した戦略だ」
--今後の出店計画は
「トレーニングマシンやプール、テニスコートなどを備えた従来のような大型店舗で攻勢をかけるのは、現実的ではない。既存の建物にテナントとして入る店舗や小型店が増えていくだろう」