三菱UFJ信託銀行の池谷幹男社長は31日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、最大1兆円を投じて欧米の資産運用会社の買収を進める方針を明らかにした。買収対象の資産規模は40兆~50兆円を想定、実現すれば総資産規模は約100兆円になる。世界40位前後の資産規模を買収で15位に引き上げる。
法人融資部門を来春に三菱東京UFJ銀行に一本化するのに伴い、規制上のリスク資産が減少し、資本余力が生じる。この資金を活用する。
池谷社長は狙いについて、「欧州の社債市場など相応の運用対象領域があるのに、運用能力が足りていない。出資でなく、買収で補いたい」と説明した。また、100兆円規模になれば、顧客基盤、運用能力が高まり、競争力が上がるとみている。東南アジアでも買収の可能性を探る方針だ。
このほか池谷社長は、これまで売買仲介が中心だった不動産事業を拡大することも明らかにした。オフィスなどの賃貸の不動産物件に対してテナント付けを行い、仲介業務を行うリーシング事業の人員を現状の約5倍の100人規模まで増やす。
また、地方銀行との連携強化も図る。遺言信託などの信託業務を地銀から受託する事業を新たに始める。