鉄鋼大手3社の2017年4~6月期連結決算が1日出そろい、最終損益は全社が黒字に転換した。石炭などの原料価格高騰に対応するための値上げが進んだほか、中国の過剰生産で低迷していた市況が上向いたことが寄与した。原料高騰で保有在庫に評価益が発生したことも業績を押し上げた。
同日決算を発表したJFEホールディングス(HD)は、571億円の最終利益を計上。117億円の赤字だった前年同期から大幅に改善した。会見したJFEHDの岡田伸一副社長は「鋼材価格は、まだ原料高騰に見合った水準にはなっていないが、コスト削減に取り組み、棚卸し資産の改善もあった」と述べた。
新日鉄住金は146億円の赤字から713億円の黒字、神戸製鋼所は20億円の赤字から250億円の黒字に転換した。
新日鉄住金とJFEHDは、通期の経常利益予想を初めて公表。新日鉄住金が前期比71.9%増の3000億円、JFEHDは2.4倍の2000億円で、ともに3期ぶりの増益となる。神戸製鋼所は従来予想より50億円多い550億円に上方修正。191億円の赤字だった前期からの黒字転換を目指す。