■潜在市場大きく新たな柱に育成
ベビー寝具用品メーカーの渡嘉毛織(大阪府忠岡町)は30~40代女性向けの吸水パッド付き肌着市場に参入する。吸水性能の高い新素材を採用し、快適なはき心地を実現した。これまでベビー寝具用品や中高年向け肌着を事業の柱としてきたが、フィットネスやレジャーにも使える若い女性向け肌着など幅広い年齢層をとらえる商品によって新たな柱を育成する。
開発した吸水性肌着「こころぜ」は、吸水性に優れた新素材「特殊ポリウレタンスポンジ」を吸水パッドに採用。従来品に比べて水分の逆戻りが減り、保水時の不快感を軽減するとともに、外側の衣類への浸み出しが起こりにくく快適性を高めた。
同社が独自に30~40代の女性を対象に調査したところ、約3割が尿失禁の経験があると回答。「予想以上に多くの若い女性が困っているのに驚いた。悩んでいる人は実際にはもっと多くいるのでは」と潜在市場の大きさを勘案して開発した。
当初8月の発売を予定していたが、小売店からの注文が予想以上に増えて生産が追いつかず、店頭に並ぶのは9月以降になる見通し。初年度売上高は5000万円を計画している。
渡辺英敏社長は「吸水性肌着はこれまで中高年用ばかりで、若い人向けの商品がなかった。滑り出しも上々で、今後の市場の広がりに期待している」と話している。